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ヴェー,イー,ヴォヤチェク(V. I. Vojatchek)教授とその學派
鈴木 安恒
1
1慶大醫學部耳鼻咽喉科
pp.178-183
発行日 1949年4月20日
Published Date 1949/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200174
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いろいろの事情によりソビエツトの醫學界は今までほとんど知ることができなかつた.その意味において私は最近みることができたソビエツトの專門誌,「耳鼻咽喉科通報」(1946.2號)からヴオヤチエクの第70囘生誕記念記事お紹介したいとおもう.ヴオヤチエクはソビエツト耳鼻咽喉科學界の元老で,わが國でいえば故岡田和一郞先生にも相當すべき人であらう.その門下からは多くの專門大家を出している.この記事によつてソビエツト耳鼻咽喉學界の幾分かおうかがい知ることができる.
彼は既に明治37,8年の日露戰爭において專門家として活躍し現在に至つている.殊に耳鼻咽喉科領域における遺傳體質學に目を開き,その門下Undritz等と共にその名を知られている.但し私などはドイツの文献を通して知つていたために,それがロシヤ人であることをこの文献を見て始めて知つたのである.その門下として現われる人名だけを知ることもあながち無駄ではあるまい.これだけの短い論文によつてソビエツトの耳鼻咽喉科學を知ることは出來ないが,その傾向だけを知ることは出來さうである.
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