Japanese
English
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Eviprostatの使用経験
CLINICAL EXPERIENCE OF EVIPROSTAT
加藤 弘彰
1
,
渡辺 泱
1
,
加藤 哲郎
1
,
森田 昌良
1
,
久保 隆
1
Hiroaki KATO
1
,
Hiroki WATANABE
1
,
Tetsuro KATO
1
,
Masayoshi MORITA
1
,
Takashi KUBO
1
1東北大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, School of Medicine, Tohoku University
pp.861-865
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204436
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I.はじめに
戦後,わが国においても前立腺肥大症々例数は年々増加の一途をたどり,泌尿器科領域における老年病の代表的なものの1つとなつた。前立腺肥大症自体は良性疾患で転移及び悪液質等の弊害を及ぼさない。しかしながらこの腺腫によつて惹起される下部尿路の通過障害は,二次的に腎機能の低下をひきおこすので加療する必要がある。
前立腺肥大症の根治療法である前立腺摘出術は,腺腫を摘除して排尿困難の症状を除去して,低下せる腎機能の恢復,又は今後惹起されるであろうところの腎機能障害の防止を目的として行なわれる。しかし良性疾患であるゆえに,姑息的に持続導尿法あるいは尿路変更術のみでも腎機能障害の進行は防止できるわけである。しかしかかる姑息的手術療法は不自然であるのみならず上行感染の機会が多いので,根治手術が最も理想的な療法と考えられている。しかし残尿の非常に少ない前立腺肥大症初期の症例は,私共の予後調査1)にもあるごとく術後排尿状態の改善率が悪いので,かかる症例に対してはまず保存的療法を行なうのが妥当であると考える。
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