Japanese
English
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播種状小結節型皮膚サルコイドージス
DIE KLEINKNOTIGE DISSEMINIERTE FORM DES HAUTSARKOIDS
石橋 明
1
,
加藤 四郎
2
Akira ISHIBASHI
1
,
Shiro KATO
2
1日本大学医学部皮膚科教室
2加藤皮膚科病院
1Hautklinik der Nihon Universität
2Kato Hautklinik
pp.789-795
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204422
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I.はじめに
サルコイドージスと結核との関係は,結核化学療法の無効なことなどから否定的意見が強くなつたものの,それに代る病因論はいまだ確立されず,サルコイド反応を除いた真のサルコイドージスは,今日なお未知の原因に基づく特定な疾患であるとの考え方が多い。その反面,依然として,種々の条件で生じ得る非特異性ヒペレルギー性炎症であるとする説もある1)。
サルコイドージスの部分現象と解される皮膚病変については,福代2)によれば,結節性紅斑を代慢的事例とする亜急性一過性非特異性病変と,表性待久型の病型の2形に分かち,後者を分類して,(1)結節型(結節の大小を問わず,血管類狼瘡を含む),(2)局面型(Boeckの大結節型及び紅皮症型は本型に偏入される),(3)瀰漫性浸潤型(=Besnierの凍瘡状狼瘡),(4)皮下型(純粋な皮下結節として現われる病変。しかしDarier-Roussy型の存在は疑問)の4型としている。Funk23)の分類は,(1)播種状小結節型,(2)大結節型,(3)平板浸潤型(亜型に凍瘡状狼瘡及び血管類狼瘡を含む),(4)紅皮症型,の4型である。両分類共前者の存在には問題がなく,さほど稀ならず見られるものの様である。しかるに上記の第1型の特異な臨床型となすべき,殆ど全身に汎発した播種状小結節型は,Boeck5)の報告以来広く知られているにも拘らず,本邦と欧米とを問わず観察が少い。下記の私共の観察例も容易に診断を確定出来ず,漸く播種状小結節型皮膚サルコイドージスと診定して東京地方会に供覧した際にも,なお反対意見が大勢をしめた。敢えてここに詳記したい。
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