文献紹介
鞏皮症のレ線的症状
pp.576
発行日 1966年6月1日
Published Date 1966/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204385
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汎発性鞏皮症20例についてレントゲン検査を行なつた。最も頻発したのは食道の下部狭窄で,発生率は75%であつた。約半数にみられたのは骨最多孔症,軟部組織の石灰化症,結腸の小嚢形成(sacculation)であつた。この小嚢形成は横行結腸と下行結腸に沿つて多発批る特徴的な像を示し,鞏皮症と皮膚筋炎とのみにみられる。頻度は低いが,小腸には十二指腸と空腸上部に拡張を認めた。肺には繊維症を示したものがあつた。歯牙に異常を証しえた例はなかつた。内臓の変化は皮膚病変より数ヵ月,ときには数ヵ年も前に出現することがある。かかる症例においてはレントゲン検査によつて診断を推察しうることがあろう。レントゲン診断はまた侵された内臓の範囲を知るのに有用である。
Fraser, G. M.:The Radiological Manifestations of Scleroderma(Diffuse Systemic Sclerosis),Brit. J. Dermat., 78;1, 1966.
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