Japanese
English
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スポロトリクム症にたいするヨードカリの作用機序
MECHANISM OF THE ANTIFUNGAL ACTION OF POTASSIUM IODIDE ON SPOROTRICHOSIS
占部 治邦
1
,
永嶋 哲二
1
Harukuni URABE
1
,
Tetsuji NAGASHIMA
1
1久留米大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine
pp.45-50
発行日 1966年1月1日
Published Date 1966/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204270
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I.はしがき
スポロトリクム症Sporotrichosisは戦後,とくに最近,関東地方のみならず国内各地から報告が相つぎ,決して稀な疾患ではなくなり,皮膚科医の関心をあつめるにいたつた。本症は診断さえつけば治療はいたつて簡単であり,ヨードカリの内服のみで完治せしめることが可能である。
本症にヨードカリが有効なことは古くから経験的に知られた事実であつて,決して実験的,理論的根拠にもとづいて応用されたものではない。ゆえにその作用機転についての説明はあとから試験管内および動物実験の成績をもとに組立てられたものである。しかしながら今日にいたるまで,それがなお解決しがたい問題の1つとして残されている所以は,肝心のヨードカリが,病原菌であるSporotrichum schenckiiにたいして試験管内でほとんど抗菌力を示さない点にある。したがつて種々の臆説が生れた。
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