Japanese
English
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原発性尿管癌の1例—腎摘出術後残存尿管に発見された例
A CASE OF PRIMARY CARCINOMA OF THE URETER
雑賀 晴彦
1
,
森脇 宏
1
Haruhiko SAIKA
1
,
Hiroshi MORIWAKI
1
1神戸医科大学泌尿器科教室
1Department of Urology, Kobe Medical College
pp.1013-1016
発行日 1965年10月1日
Published Date 1965/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204196
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I.はじめに
本症は比較的稀な疾患であると考えられて来たが,1962年Bergmanらによれば既に欧米例は500例をこすであろうと記載され,本邦例も1962年北山の集録によれば69例にのぼるとされ,もはや稀な疾患との観念は改められようとしている。
しかしながら本症はその臨床症状に特有のものがなく,解剖学的関係からも腫瘍像を描出することが常に必ずしも容易ではなく,上部尿路の病変が本症の病像を混乱させることもあり,こういつた諸点から術前診断は誤まられやすく,しかもその予後が極めて不良の場合の多いことなど,泌尿器科領域において要注意疾患に属すると言わねばならない。
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