文献紹介
悪性腫瘍の治療のバイブル的参考書,他
H.N生
pp.26
発行日 1965年1月1日
Published Date 1965/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203983
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日本では余り読まれていないが,A Hoeber Medical Bookから出版されているTreatment of Cancer and Allied Diseasesと言う悪性腫瘍の治療に関する非常に優れた参考書がある。これは全部で10巻に分れているが,泌尿器科に関する腫瘍は第7巻に,Tumors of the Male Genitalia and the Urinary Systernと言うサブタイトルがついて出ている。30人の現在の合衆国に於ける第一線級の泌尿器科医の分担執筆となつている。この中から主な著者を挙げてみると,E. Burns,M. F. Campbell,C. D. Creevy,D. A. Culp,R. H. Flocks,J. H. Harrison,W. F. Leadbetter,V. F. Marshall,W. W. Scott,W. F. Whitmore, Jr.等よくもまあこれだけの大物を集められたものだと感心する位素晴らしい執筆者が揃つている。箸者の名前を眺めているだけでも楽しくなるような本と言える。内容は男性性器腫瘍,尿路腫瘍,副腎腫瘍と泌尿器科の全般に及んでいる。CampbellのUrologyのTumorの章がやや弱体と言う非難のある点この教科書はそれを補うものとして大いに役立ち得よう。1962年改訂の第2版が現在の所最も新しい。約400頁で,写真や図も多く,手術の説明も理解し易い。18ドルと言う値段がこの厚さに比して可成り高いが,オールスター級の著者が分担執筆していることを思えば止むを得ないのかも知れない。
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