Japanese
English
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膀胱結石を疑わしめた興味ある1症例—両側重複腎盂尿管の1側に腎結核を合併せる1術前診断例
A INTERESTING CASE SUPPOSED VESICAL CALCULUS: A PRAEOPERATIVE DIAGNOSED BILATERAL DUPLICATION OF PELVIS AND URETER ASSOCIATED WITH TUBERCULOSIS OF KIDNEY ON THE LEFT SIDE
田辺 与市
1
Yoichi TANABE
1
1京都市中央市民病院皮膚泌尿器科
1Department of Dermato-Urology, Kyoto Municipal Civil Hospital
pp.23-27
発行日 1964年1月1日
Published Date 1964/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203672
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I.緒 言
日常泌尿器科診療に際して重複腎盂尿管のみならば,腎機能さえ良好であれば排泄性腎盂撮影だけでも診断可能であり,そうでなくても手術によつて発見される事は割合多く,それ程珍しいものではない。然し主訴が尿或いは膀胱症状のみで,かつX線単純撮影にて膀胱結石様の所見を呈し,更に片側腎機能障害があれば,泌尿器科的検索にも困難を伴うのは勿論のこと,ともすれば誤診に陥り易くなる。筆者は此の様な症例で,診断に苦労したが,結局両側の重複腎盂尿管であつて,しかも一側に腎結核を合併していることを術前に診断し得たので,泌尿器科臨床にたずさわる者として興味ある症例と考えられたので,その診断過程の概略をここに報告する。
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