Japanese
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泌尿器科図譜・166
濾胞性腎盂炎の1例
A CASE OF PYELITIS FOLLICULARIS
斯波 光生
1
,
六条 正俊
1
Teruo SHIBA
1
,
Masatoshi ROKUJYO
1
1市立札幌病院泌尿器科
1Department of Urology, Sapporo Municipal General Hospital.
pp.173
発行日 1964年2月1日
Published Date 1964/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203703
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患 者 26歳,家婦。 主 訴 無症候性血尿 現症と経過 35年12月5日,最初の血尿以来再四にわたる増悪,軽快を繰返しそのつど入院加療を行つたが無効のため,発症より8ヵ月後に腎摘出術を行つた。血尿は体動により増強し安静により軽快するが,まつたく清澄とはならない。 尿所見 鏡検で膿球,細菌をみないが,培養するとわづかに大腸菌の発育を認める。膀検所見毎回右腎出血であり,膀胱三角部には限局した嚢胞形成がみられる。 レ線所見 I. P. で右がわづかに遅延,R. P. で右腎全乳頭が不鮮明,ことに中,下腎杯は境界不鮮明で影像に濃淡があり,この所見は初診時より8ヵ月後までまつたく不変で進行しない(第1図)。 剔出腎所見 全腎杯,腎盂粘膜,ことに中,下腎杯は充実性の顆粒形成が著明で凹凸不平(第2図),粘膜下にリンパ球浸潤をともなう著明な濾胞増生があり,粘膜は非薄,脱落し粘膜下小血管が容易に破壊される像を示す(第3,4図)。
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