印象記
第28回 日本泌尿器科学会東部連合地方会 印象記
岡本 重禮
1
1日本医科大学泌尿器科
pp.1155
発行日 1963年12月1日
Published Date 1963/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203660
- 有料閲覧
- 文献概要
第28回東部連合地方会は10月19日午後1時より会長百瀬教授の下,千葉県庁大会議室にて開催され翌20日夕刻までに予定されたシンポジウム3,特別講演5,一般演説35,紙上発表46の中一般演説の欠題3を除く全てが盛会裡に滞なく終り得たことは誠に喜ばしく会長はじめ教室関係者のお骨折りに深く謝意を表したい。筆者は学会の前に本誌編集部より印象記を依頼されたのであるがもとより適任者ではなく,僣越極まりないと考えたが再度の依頼で漸く決意し学会にのぞんだ次第である。一言をも聞き洩らすまいと努力はしたものの菲才のためか十分理解することは到底不可能であつた。しかし責任上一応の義務を果すべく躊躇の中に筆をとつた次第である。紙面に制限があり幾多の興味ある発表にも悉くは言及できないことを思うと遺憾にたえない。シンポジウム腎結核の現況は大越博士司会の下,七講師が選出されたが化学療法の適応,手術療法の選択,腎外結核との関連などわれわれが日常の診療に常に問題としていることがとりあげられ,しかも多数の症例に基づいて検討されたのは大いに参考になつた。本邦の腎結核にはLattimerの学説をそのまま適用するのに少し無理があるという点で各講師の意見が一致していたように思う。17時30分より百瀬教授の特別講演,前立腺癌に対する下垂体組織内照射が行なわれた。6例にRadon針を用いた場合の詳細なデーターについて御発表になつた。
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.