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皮膚科図譜・160
抗癌性抗生物質*による皮膚潰瘍
SKIN ULCER DUE TO ANTIBIOTICS FOR MALIGNANT TUMOR
田中 宏
1
,
赤井 昭
1
Hiroshi TANAKA
1
,
Sho AKAI
1
1新潟大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Niigata Unversity Scool of Medicine
pp.1035
発行日 1963年11月1日
Published Date 1963/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203633
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患者 51歳女子,初診 37年12月14日。 現病歴 昭和33年に手術を行つた子宮癌が再発し37年9月再手術を行つた。その後療法として10月23日からクロモマイシソA3の静脈注射を開始した。注射は初め肘窩部において行つたが次第に困難となり前腕,手背の静脈をも利用して施行した。注射開始10日目頃から一部の注射施行部位の皮膚に潰瘍が生じた。
現症 右手関節部伸側および両手背に大豆大から胡桃大までの紅色ないし紫紅色で中心部が壊死性潰瘍化ないしは痂皮形成を伴つた腫張が合計4か所に存在する。自覚症状はほとんどない(第1,2図)。
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