Japanese
English
原著
スポロトリコーシスの2例
Two Cases of Sporotrichosis
長谷井 和義
1
,
林部 一人
1
,
市橋 正光
1
,
光田 篤司
2
,
高見 寿夫
2
Kazuyoshi HASEI
1
,
Kazuhito HAYASHIBE
1
,
Masamitsu ICHIHASHI
1
,
Atsushi MITSUDA
2
,
Toshio TAKAMI
2
1神戸大学医学部皮膚科教室
2神戸大学医学部附属病院中央検査部
1Department of Dermatology, Kobe University School of Medicine
2The Central Laboratory, Kobe University School of Medicine Hospital
pp.1117-1119
発行日 1982年11月1日
Published Date 1982/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202744
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62歳,男,症例1の左第4指爪郭部,48歳,女,症例2の左前腕および左下腿に生じたスポロトリコーシスの2例につき,特に治療効果に焦点を絞り報告する.両症例ともヨードカリ内服治療を行ったが,症例1はヨードカリ内服後じんま疹が生じたため,5—fluorocytosine (5—FC)の経口投与に変更し,同時にin vitroで5—FCのMICを菌糸型,酵母型で測定した.症例2および保存株についても同様にMICを測定した.その結果,MICは菌糸型では3者とも500μg/ml以上であり,酵母型では症例1は500μg/ml以上,症例2,保存株では500μg/mlで,5—FCの血中濃度は56μg/mlであった.臨床的にも5—FC投与は皮疹改善に効果を見出せなかった.今回の我々の臨床経験,in vitro結果および文献的考察から5—FCはスポロトリコーシスにはほとんど効なしと考えられた.また5—FC内服後,症例1は日光曝露部に光過敏性紅斑を呈した.
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