今月の表紙 深部皮膚真菌症の臨床検査シリーズ・1
スポロトリコーシス
山口 英世
1
,
内田 勝久
1
,
立石 毅
2
1帝京大学医真菌研究センター
2筑波大学医学部皮膚科
pp.4-5
発行日 1997年1月15日
Published Date 1997/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903203
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土壌中や植物の表面に腐生的に生息する真菌の中には,皮膚の刺創(棘に刺されるなど)を介した組織内への接種によって感染を引き起こすものがある.病巣は菌の接種(侵入)部位の皮膚(真皮を含む)および皮下組織に限局するのが普通であるが,菌種によってはリンパ行性または血行性に播種する.このような真菌症は,一般に深部(または深在性)皮膚真菌症と呼ばれる.
深部皮膚真菌症は比較的まれな真菌症とされているが,その中で,最も発生率が高い疾患はスポロトリコーシス(sporotrichosis)である.わが国は世界的にみてもスポロトリコーシスの多発国の1つに数えられ,年間の発症患者は数百例に上ると推定される.
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