Japanese
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スポロトリクム症の3例—付,本邦既報告例134例の統計的観察
3 CASES OF SPOROTRICHOSIS:WITH STATISTICAL OBSERVATIONS OF 134 HITHERTO PUBLISHED JAPANESE CASES OF THE DISEASE
阿部 羊一郎
1
,
儀保 元彦
1
,
財満 信次
1
Yoichiro ABE
1
,
Motohiko GIBO
1
,
Shinzi ZAIMA
1
1東京医科大学皮膚科教室
1Dept. of Dermatology, Tokyo Medical College
pp.545-550
発行日 1963年6月1日
Published Date 1963/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203528
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I.はじめに
スポロトリクム症は,Sporotrichumを原因菌とする慢性肉芽腫性疾患で,地理的にはほとんど世界全土にみられるが,その分布は必ずしも一ようでない。本邦では以前はきわめて稀有とされたが近年,殊に戦後はかなり頻繁にこれをみるようになつた。すなわち,西沢・田辺の本邦第1例の報告以来戦前26年間の25例に対し,戦後最近までの17年間には実に109例が報告されている。これは一つには本症に関する知識が普及するとともに菌検索が励行されてかつその技術が進んだことによると考えられる。
わが教室で昭和33年から36年に至る4年間に経験した本症の10例は曩に北村,阿部,馬場がこれを報告したが,その後の1年間にさらに3例を得たので,これについて述べるとともに,これらを含めて本邦の既報告例,134例を整理し,これが統計的観察を試みたしだいである。
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