Japanese
English
原著
皮膚の細網肉腫—本邦報告92例の統計的観察
CUTANEOUS RETICULOSARCOMA : STATISTICAL OBSERVATION OF THE REPORTED 92 CASES IN JAPAN
吉江 治彦
1
Haruhiko YOSHIE
1
1信州大学医学部及膚科学教室
1Department of Dermatology, Shinshu University School of Medicine
pp.905-913
発行日 1976年11月1日
Published Date 1976/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201661
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皮膚原発細網肉腫の2症例を報告,更に皮膚に細網肉腫の出現をみた本邦例を文献より集計,臨床経過により次の5型に分類した.皮膚初発Ⅰ型(皮膚腫瘍単発),皮膚初発Ⅱ型(皮膚腫瘍多発),皮膚初発Ⅲ型(多発性皮膚腫瘍とリンパ節腫が同時に出現),リンパ節初発,その他臓器初発.以上の各病型をリンパ性細網肉腫(リンパ節原発細網肉腫)と比較検討した.皮膚初発I型は従来の皮膚原発細網肉腫単中心型に相当し,年齢,性,腫瘍の進展形式,白血化,予後などがリンパ性細網肉腫とは異なり,皮膚原発細網肉腫と呼ぶにふさわしい.皮膚初発Ⅱ型とⅢ型は同一型であり,従来の皮膚原発細網肉腫多中心型に相当するが,その性格はリンパ性細網肉腫により近い.しかし,病初より皮膚腫瘍が多発経過中に白血化が高頻度に出現,予後が非常に悪いことなどから,リンパ節原発と断言できない特殊な病型であり,皮膚親和性のあるリンパ性細網肉腫と解釈した.
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