汗疱状結核疹の1例

A CASE OF POMPHOLYX-LIKE THBERCLULID

I．まえがき

　1953年北村，野北^1）が血管を主巣とする皮膚結核，即ちバザン硬結性紅斑，壊疽性丘疹状結核疹および結節性結核性静脈炎などに併発して，手掌および足蹠に一見汗疱状の皮疹が稀ならず観察されることを指摘し，これに汗疱状結核疹なる仮称を与えた。その後桜根および谷村^2），山形等^3），永石^4）が本症と思われる症例を追加報告しているが，最近われわれは典型的な本症と考えられる症例を経験したのでその1例を報告し，あわせて若干の考察を加えたいと思う。