Japanese
English
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Hereditary Anhidrotic Ectodermal Dysplasiaの1例
A CASE OF HEREDITARY ANHIDROTIC ECTODERMAL DYSPLASIA
野原 望
1
,
徳山 勝
1
Nozomi NOHARA
1
,
Masaru TOKUYAMA
1
1岡山大学医学部皮膚科泌尿器科教室
1Department of Dermatology and Urology, Okayama University, Medical School Okayama
pp.873-877
発行日 1962年10月1日
Published Date 1962/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203366
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I.はじめに
いわゆるCongenital ectodermal defect(先天性外胚葉性欠損症),別名Hereditary ectodermal dysplasia(遺伝性外胚葉性形成異常症)は,表皮及びその附属器における多様な形成異常の一定の集りに対して名付けられているものであつて,皮膚,毛髪,汗腺,脂腺,乳腺,爪,歯牙その他に種々の発育不全を証するものであるが,Upshaw & Montgomery1)に従えば,本疾患の下には尚数型が分たれるものであつて,ここにわれわれが記載しようとするHereditary anhidrotic ectodermal dysplasiaもまたその中の1型であり,このものは先天的な無汗乃至は乏汗,全身の乏毛,歯牙の欠損又は発育不全及び一見先天性梅毒患者を想わせる特異の顔貌などを主要症候とする極めて特徴のある稀有な疾患である。Congenital ectodermal defectについての最初の記載は1875年Charles Darwin2)がその著書の中で,Wedderburnの報告例(1838年)を紹介したことに始まるが,原著としての最初の詳細な報告は米国の歯科医Guilford3)によつて行われ以来外国においては今日まで大約100例余の症例が相次いで報告されている4)。
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