Japanese
English
--------------------
胃癌を伴える黒色棘細胞増殖症の1例
ACASE OF ACANTHOSIS NIGRICANS WITH STOMACH CANCER
松坂 義孝
1
,
武田 恵治
1
,
平山 多秋
1
,
梶尾 克彦
1
Yoshitaka MATUZAKA
1
,
keiji TAKEDA
1
,
Taaki HIRAYAMA
1
,
katuhiko KAJIO
1
1広島大学医学部皮膚泌尿器科
1Dept.of Dermato-Urology, Hiroshima University School of Mcdicine
pp.615-618
発行日 1962年7月1日
Published Date 1962/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203314
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
黒色棘細胞増殖症は比較的稀な疾患であり,1890年Janovskyにより始めて記載せられ,殆んど同時に別個独立してUnna,Pollitzer両氏により,報告されて以来,既に欧米では約420例,本邦では板津(1901)の報告以来約120例が報告されている。本症は其の外観甚だ特異であるにも拘らず,其の本態は今尚不明のものである。亦其の臨床上の症状により乳頭状色素性栄養障碍症,黒色角化症,色素乳頭性悪液質等と称せされていたが,最近,棘細胞増殖症と統一された。本症は何等前駆症状なく漸次項頭部,腋窩部,関節窩等に色素沈着,角質増殖並に皮膚に乳頭腫様増殖を来たすものであり,又粘膜に於ても組織増殖を来すもので,同時に悪性腫瘍殊に腹部臓器の癌腫を屡々高率に伴うと云われている。最近我々は内臓の癌腫を伴つた典型的黒色棘細胞増殖症を見たので,其の剖検所見を併せて報告する。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.