Japanese
English
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結石を伴えるグラヴイツ腫瘍の1例
A CASE OF GRAWITZ TUMOR WITH CALCULUS
北村 定治
1
Sadaharu Kitamura
1
1久留米大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Kurume University School of Medicine
pp.501-505
発行日 1957年6月1日
Published Date 1957/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201977
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緒言
腎腫瘍には色々な種類があるが,その中で特異なものとして副腎皮質様腫瘍がある。1883年VonDr.P.Grawitzが腎の所謂脂肪腫と称されるものは副腎迷芽によるものであつて,脂肪腫にあらざる事を述べてStruma lipomatodes aberra-ta renisと名付けた。その後これに関する研究は多数発表され各人により色々な名称が与えられた。例えば副腎に生じた時VirchowはStrumasuprarenalis,Birch-HirschfeldはHyperne-phrom,WinkerはEpithelioma suprarenalisと称した。また副腎以外に生じた時にはGrawitzはStruma lipomatodes aberrataとよび,Lubarschは単にhypernephroide Gewächseと呼んだ。爾来副腎皮質様組織を有する腫瘍をGrawitz腫瘍とよんでいるが,その外に副腎スツルーマ,ヒペルネフローム,副腎腫,上腎腫等の名称でよんでいる。本症に関する報告は内外共に多いが,しかし未だ珍らしい疾患の範囲を出ない。著書も最近典型的な本症で結石な併える1例を経験したので,報告すると同時に些か文献的に観察を行つたので略述したい。
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