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黒色棘細胞増殖症の3例
金上 弘
1
1北海道帝國大學醫學部皮膚科泌尿器科教室
pp.111-115
発行日 1947年4月1日
Published Date 1947/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200027
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Jahovsky(1890)に依つて記載せられ,又殆んど同時にそれと別個にUnna及びPollitzerに依つて發表せられた本症は比較的稀有な疾患で,今日彼我の文獻を合しても400例を超へて居らず,我國に於ては板津(1901)以來1942年迄67例の記載しか見出されてゐない。其の原因に關しては,周知の如く本症の過半數には内臓の癌腫が合併する處からして,古くは癌腫との直接的關聯を唱へられたが,勿論斯様に簡單には片附けられず,今日では癌を起すと同じ契機が或は直接に,或は自律神経乃至内分泌腺を通じ間接に皮膚に作用して本症を起すものであらうと考へられてゐる。而してそれ等の中で現今最も多くの賛成を得てゐるのは副腎の機能障碍詮であるが,余は最近偶々本症の3例を經驗しその際多少檢索した事項もあるので,茲々に其の大要を記述したいと思ふ。
第1例 高○門○郎 69歳 男 無職 初診昭和13年3月22日
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