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フイラリア症について
林 滋生
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1傳染病研究所衞生動物研究室
pp.56-58
発行日 1951年8月15日
Published Date 1951/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200890
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「大きんたま」と俗に稱する一種の象皮病は,寄生虫學又は熱帶病學の教科書で,その怪異な寫眞や圖の故に親しまれて來た。しかし日本にもこんな變つた病氣があるのかといつた程度の關心で見過ごされてしまう場合が多いのではないかと思う。地方病というものに對する一般の傾向でもあろうか。實際は患者の精神的,肉體的苦痛は並大低のものではないし,これの蔓延している地方にとつては重大な問題であつて,撲滅の爲にどうしても廣く一般の深い關心と援助を必要とするものなのである。しかも疫學,病理,發症機轉,病原虫そのもの,治療,豫防等々に關して未解決の問題が數多く残されている。
病原虫はいうまでもなくフイラリア(絲状虫)であるが,嚴密にはFilarioidea亞目,Filaridae科に屬する線虫である。
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