学会印象記
日本皮膚科学会第12回中部連合地方会印象記
佐々田 健四郎
1
1名古屋大学医学部皮膚科教室
pp.912-913
発行日 1961年10月1日
Published Date 1961/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203160
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例年より約1カ月余り早目に行われた日本皮膚科学会第12回中部連合地方会は,昭和36年9月17日岐阜公会堂に於て,伊藤賀祐教授主催の下に開催された。岐阜地方は此の日快晴で爽やかな秋風が肌に快よく感じられたが,街の処々に吹き飛んだ木切,粉々になった瓦,ひきちぎられた木の葉が,前日中部地方を襲った第2室戸台風の名残りを留めていた。招請講演が予定されていたSchreus教授は急遽離日されたとかで中止されたのはかえすがえすも残念であった。開会は8時の予定であったが.何時もならば開会前に既に相当多勢の会員が参集し,顔見知りの人々が見られ,学会気分も横溢しているのであるが,広い会場には主催者側の岐阜医大の方々が準備に忙殺されて動く姿が見られるだけであつた。台風による交通機関の被害も甚大で遠方,避地からの参加が危ぶまれた。此の様な悪条件下に開催を強行せねばならない主催者側の御心痛は大変なものであつたろうと察せられた。かくて8時40分に開始が延期され,第1番目にスライドによる特別発表,次にスライド供覧が行われる事になつた。スライドによる特別発表は広根(金大)が鶏胚網膜色素上皮細胞につき,特にメラニン顆粒及びプレメラニン顆粒の微細構造等の興味ある知見を述べたが.メラニン色素とミトコンドリヤとの間に関連性がない事を指摘したのが注目された。
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