Japanese
English
--------------------
高級サルファ剤の腎及び肝に及ぼす影響—殊に病理組織学的変化について—第1報 動物実験
ON THE INFLUENCES OF HIGH-CIASS SULFADRUGS TO KIDNEY AND LIVER: THE 1ST REPORT
中平 正美
1
,
中村 邦昭
1
Masami NAKAHIRA
1
,
Kuniaki NAKAMURA
1
1信州大学医学部皮膚泌尿器科学教室
1Department of Dermatology and Urology, Faculty of Medicine, University of Shinshu
pp.525-530
発行日 1961年6月1日
Published Date 1961/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203074
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.まえがき
著者の1人中平及びその協力者は,すでに所謂高級サルフア剤または持続性サルフア剤Sulfamethizole,Sulfamethoxypyridazine,Sulfadimethoxine,Sulfisomezole及びSulfaphenazoleについて,その体液及び臓器内濃度,尿中排泄,試験管内抗菌力,及び臨床効果等について再三報告1)2)3)4)5)してきた。これら5剤のうちSulfamethizole(以下UCと略す)は,pHの広域において溶解し従つて吸収極めてよく,血中濃度はさして高くなく,その持続時間も短いのであるが,腎組織内濃度が極めて高く,かつ尿中濃度が早期より極めて高く,そのアセチル化率も低く(10%),尿中回収率(12時:82.7%,24時間:97.4%)もずば抜けて高い所から,尿路感染症に選択的に作用する製剤である。他の4剤は持続性サルフア剤と称せられるもので,その特長は(1)吸収よく血中濃度が比較的速く高まり,その持続時間が長く,かつ高い,(2)血中アセチル化は極めて少い,(3)組織内への浸透性がよい,(4)グルクロン酸抱合体を作り,単位毒性,副作用が少い,等が挙げられる。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.