Japanese
English
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Phenoxyethyl Penicillinによる尿路感染症の治験
ON UROLOGICAL USE OF PHENOXYETHYL PENICILLIN
小田 完五
1
,
久保 泰徳
1
,
上田 恵一
1
,
筏 淳二
1
Kango ODA
1
,
Yasunori KUBO
1
,
Keiichi UEDA
1
,
Junji IKADA
1
1京都府立医科大学皮膚泌尿器科教室
1Kyoto Pref. Med. College
pp.419-422
発行日 1961年5月1日
Published Date 1961/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203053
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ペニシリン(以下Pcと略す)がカビの培養によつてのみしか生産されえなかつたことはPc誘導体が無制限に数多くは作られないことを示しており,Pcに対する耐性菌の出現とかアレルギー発現等の副作用とかの阻止改善に対する多くの学者の努力にもかかわらず,Pcの発展進歩は壁につきあたつたかの観があつた。この時Phenoxy基を導入して作られたPhenoxymethyl-Pc (PcVと略す)は酸にかなり安定しており高い血中濃度がえられる点経口投与に適しており,副作用も少い故,従来専ら経皮的応用に限られていたPcの適応に一歩の前進を来し,世人の注目をひくようになつた。処が1957年Shechanらが実験室内でPcの合成に成功することによつて非常に多くのPc誘導体が作り出される基をつくつた。しかも1959年Bathelorらが6-Aminopenicillanic acidを分離するに及んで大量生産が可能となつた。Phenoxyethyl PenicillinのKalium塩(Pe.Pcと略す)はこのようにして化学的に合成されたPcの中の一つで全く新しい合成Pcであり,分子構造はPcVと全く同一であるが,D異性体とL異性体とがあり,われわれが提供を受けた製剤は二つの異性体の混合物である。
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