Japanese
English
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放射性チロジン使用による悪性黒色腫の診断法について
DIAGNOSIS OF MALIGNANT MELANOMA USING CARBON-14 LABELED TYROSINE
吉田 良夫
1
Yoshio YOSHIDA
1
1東北大学医学部皮膚科
1Dept. of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
pp.423-428
発行日 1961年5月1日
Published Date 1961/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203054
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人体皮膚色素メラニンの形式に対するTyrosi-nase (T)の役割に関しては,過去約10年間主としてアメリカ皮膚科学者1)の努力によつて次第に明らかにされた。かつてBlochによつて創始されたDopa学説は今や大きく書き改められたといつても過言ではあるまい。Bloch2)(1917)は凍結皮膚切片を一定条件のもとに3-4-Dihydroxyphe-nyl-l-alanine (Dopa)中に浸漬することにより,表皮基底層に存在する樹枝状細胞の原形質中にメラニン顆粒の沈着することを認め,このDopa反応陽性の細胞をMelanoblastと命名した。Me-Ianoblastはその原形質中に含有するDopa酸化酵素の作用によつてDopaをメラニンに変ずると説き,Dopa反応こそは細胞のメラニン形成能を特異的に顕示するものであると提唱した。このDopa学説はMeirowskyらの反対にもかかわらず長い間一般に信奉されてきた。一方Tそのものの存在に関しては既に前世紀末より知られており,Raper3)(1928)に至れば,チロジンはTと酸素の存在においてDopaとなり,このDopaは再び酵素性酸化によりDopa-Quinoneとなり,その後数段階を経てメラニンになると述べた。
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