Japanese
English
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CMR 742(0.25% dichlorisone配合ダイロデルム・クリーム)に依る湿疹,皮膚炎の治効について
TREATMENT OF ECZEMA AND DERMATITIS WITH CMR 742 (Diloderm Cream, Containing 0.25% Dichlorisone)
竹内 勝
1
,
今井 利一
1
,
並木 徳重郎
1
Masaru TAKEUCHI
1
,
Riichi IMAI
1
,
Tokujuro NAMIKI
1
1千葉大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology & Urology, Chiba Medical School
pp.895-900
発行日 1960年10月1日
Published Date 1960/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202921
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緒言
下垂体,副腎皮質系ホルモンの出現が一部の皮膚疾患治療に一大転機を劃したことは,今更贅言を弄する必要がない。事実,此の種ホルモンの注射乃至内服は,その適応に充分の考慮を払うならばある種の皮膚疾患に全く劇的な効果を収め得ることが立証されている。更に近年Thorn,Hollanderらによつて創始されたGlucocorticoidの局処的応用は,その卓越せる効果を局処に集中せんとするSulzbergerの報告によつて広く内外に採用され,ハイドロコーチゾン,プレドニン,プレドニソロン,メチールプレドニソロン,トリアムシノロン配合軟膏の局処応用の卓抜性に関する報告は枚挙に遑がない。しかしながらこれらGlucocorticoidの注射,内服の乱用はCorticosteroidの副作用として浮腫,糖尿.蛋白異化作用,その他種々の副作用を伴うことは必須であり,外用も経皮吸収可能性の観点から長期間に亘る広汎面への使用は,ことに幼児では一考を要すべきと考えられる。
われわれは今回アメリカ・シエーリング社よりSch 5005(dichlorisone topical)と称せられるnoncorticoid steroidを含有する軟膏,CMR742(ダイロデルム)の提供を受け,若干の湿疹,皮膚炎群に試用する機会を得た。
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