Japanese
English
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メリアンによる感染性皮膚疾患の治験
THE TREATMENT OF INFECTIONS DERMATOSES WITH MERIAN (SULFAPHENAZOL)
西原 勝雄
1
,
広根 孝衛
1
,
池田 真康
1
Katsuo NISHIHARA
1
,
Takae HIRONE
1
,
Masayasu IKEDA
1
1金沢大学皮膚科教室
1Section of Dermatology, School of Medicine, Kanazawa University
pp.293-297
発行日 1960年3月1日
Published Date 1960/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202791
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抗生物質の導入以来スルホンアミドの使用は制約され,かつその適応範囲は明確に限定された。しかしながら薬理学的効力がより大きく且つ副作用のより少い新製剤や,数種混合の製剤の出現,或いは抗生物質との併用療法等により,今日に於ても細菌感染治療剤としてその地位は不動である。その作用機転は,菌体に対して余程環境が不利でない限り増殖阻止的(bacteriostatic)であり,増殖を阻止された菌体を実際に除去するものは,被寄生体(患者)の白血球の貪喰作用でありこの貪喰は抗体の存在によつてその効果を一層たかめられる。スルホンアミド剤はその際,抗体の産生に対し特に促進も抑制もしないことが知られている1)。これらの事実からスルホンアミドは臨床応用上感染菌の除去に到るまでは増殖阻止に必要な有効血中濃度を維持することが不可欠の条件であることが諒解される。
さて従来のスルホルアミド剤はこの目的のために充分な量として,体重70kgの欧米の成人を標準にするならば1日量6g以下であつてはならないとされている。その投与の実際に当つては,初回量2〜4g(小児は年齢に応じて減量),投与間隔を4時間として2回目より1〜2gが必要とされていた2)。
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