Japanese
English
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尋常性白斑に対するChlorpromazine(ウインタミン)使用経験(第1報)
TREATMENT OF VITILIGO VULGARIS WITH CHLORPROMAZINE
川村 太郎
1
,
西原 勝雄
1
,
広根 孝衛
1
,
木下 瞭
1
Taro KAWAMURA
1
,
Katsuo NISHIHARA
1
,
Takae HIRONE
1
,
Ryo KINOSHITA
1
1金沢大学皮泌科教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Kanazawa University.
pp.1079-1082
発行日 1958年10月1日
Published Date 1958/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202379
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緒言
Chlorpromazine(以下CPと略す)はその特異な中枢作用と自律神経遮断作用のため,人為冬眠をはじめ精神科,内科など臨牀各科に広く応用され,皮膚科領域に於ても既に山本等1),小堀等2),神村等3)4),中島等5),藤田6)など多数の報告がある。これら皮膚科領域に於ける応用は主として掻痒性皮膚症を対象としたものであるが,また精神々経素因の関与を思わしめる症例(荒川等7))やエリテマトーデス(北村等8),川西等9),小石10))に使用して良好な結果を得たという報告もある。山崎等11)は掻痒性皮膚疾患に対しCPが鎮痒,消炎両作用を示すことを認め,主なる奏効機転は掻痒性疾患の病的プロセスにCPが抑制的に作用するものと推察して居り,斯かる見解に基き神村等12)は固定痒疹に対しCPの局所注射療法を試みている。
以上の如きCPの臨牀的応用の途上に於て,小堀等2)並びに中村等13)は本剤投与が血中好酸球変動に及ぼす影響について述べ,中村は本剤と下垂体副腎皮質機能との間に密接な関係があることに注目し,円形脱毛症,尋常性白斑,皮膚炎,急性湿疹及び尋常性痤瘡等に本剤の少量を就床前1回経口投与して,或る程度の効果を挙げた。
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