Japanese
English
--------------------
瘙痒性皮膚疾患に対ずるTrimeprazine(アリメジン)の治療
TREATMENT OF ITCHING SKIN DISEASES BY TRIMEPRAZINE.
斎藤 忠夫
1
,
大田 精一
1
Tadao SAITO
1
,
Seiichi OHTA
1
1山口県立医科大学皮泌科
1Department of Dermatology and Urology, Yamaguchi Medical School.
pp.1372-1374
発行日 1959年12月1日
Published Date 1959/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202716
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
皮膚疾患に於て瘙痒感の消失は患者は勿論医師にとつても最も希望する所であるが,瘙痒性皮膚疾患に対する治療法として近年自律神経性作用にぞくする薬剤に多くの期待が向けられるようになつた。例えばChlorpromazineに就いては山本等,小堀等,神村等,中島等,藤田,川村等の報告があり,Promethazineに於ても小森谷等の報告がある。ChlorpromazineやPromethazineのようなphenothiazine系誘導体は,すぐれた止痒作用と治療効果を認められているが,更に新しい誘導体であるTrimeprazineが応用されるに至つた。TrimeprazineはフランスのRhone-Poulenc会社より発売されている新しい抗ヒスタミン剤である。化学構造よりみると本剤はPhenothiazine核の側鎖の修正により作られ,同じPhenothiazineの誘導体であるChlorpromazineやPromethazineと類似の構造を有している。即ちChlorpromazineと比べると,前者はPhenothiazine核にClがありアルキル基がCH2・CH2・CH2であるが,Trimeprazineはアルキル基がCH2・CH3-CH・CH2である点が異り,Promethazineとはアルキル基がCH2・CH3-CH・CH2である点が異るのみである。
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.