Japanese
English
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副腎皮質ホルモン使用後の再発防止に関する検討—パントテン酸製剤の皮膚科的応用について
STUDY OF CLINICAL PREVENTION AGAINST RELAPSE AFTER USING CORTICOID.
小松 須賀男
1
Sugao KOMATSU
1
1字和島社保病院皮膚泌尿器科
1Dermato-Urology Department Social Insurance Uwajima Hospital
pp.823-827
発行日 1959年8月1日
Published Date 1959/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202617
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緒言
Cortisone.ACTHにはじまる副腎皮質ホルモンの登場は,皮膚科領域においてもその治療様式に大きな革命をもたらしたが,その卓効の半面,副作用も少くなく臨床的又生化学的研究の成果は,下に掲げたシェーマの如く,Hydrocortisoneの1〜2の炭素から水素原子をとり除き,メチコーテロン(Predonisolone−1955)。次いで9につけたFから更に進んで1956年,16の炭素にOHをつけたトリアムシノロン(レズコート,ケチコート)。ついでメチコーテロン(Predonisolone)の6にメチル基CH3をつけたメドロールと,次々に新しい優れた製品を合成し,我国にも既にその一部は使用されはじめている。
併し現在のところ,副腎皮質ホルモンは,あく迄,所謂病理生理学的変化Pathologico-Physiological changeを齎らすのみで,直接原因に作用して疾患自体を完治せしめるものではないために,頑症疾患ではその投与中止によつておこる再燃再発を防ぐことが出来ない。従つて原則的には,激甚な症状を抑制するためにのみ副腎皮質ホルモンを用い,症状が緩解すればなるべく早く減量し維持量に移行するか,又は治療法の転換を行い,いかにその再発を防ぎ,完治せしめるかが難題であり,又重要な点である。
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