Japanese
English
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持続睡眠療法を施行したる皮膚炎の1例について
A CASE OF DERMATITIS TREATED WITH CONTINUOUS SLEEP
篠崎 憲次
1
K. SHINOZAKI
1
1広島大学神経精神科
1Dept. of Neuropsychiatry, Hiroshima University
pp.585-588
発行日 1959年6月1日
Published Date 1959/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202571
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I.緒言
表皮は発生学的に神経と同じ外胚葉性のもので,相互に密接な関連を有して居り,皮膚疾患に結合して現れる精神障碍としては,結節脳硬化症,レツクリングハウゼン氏病,色素性乾皮症,ダリエー氏病,ペラグラ,エリテマトーデス等について詳細に報告されて居る。他面,精神障碍者に於て皮膚疾患を合併して居る例は割に多く,皮膚病の始まりが精神病のそれに先立つ事がよく見られ,或は皮膚病の終りが精神病の始まりとなるものもある。私は鬱病患者で角化性毛嚢炎を併有している者に於て,その精神症状と皮膚症状とが平行して消長した例,或は陳旧精神分裂病に於て,荒癈の度が進むにつれて脳回転様頭皮が著明になつて行つた例を経験している。
精神身体医学的立場に於ても,湿疹,皮膚炎,蕁麻疹,円形脱毛症,瘙痒症,尋常性痤瘡等がその対象として取上げられて居り,既にOber-mayer1)はPsychocutaneous Medicineなる著書を出して詳細に説明して居り,本邦に於ても,清水,塚本,西堀2)は湿疹を此の立場で観察し,又,岩崎,宮崎3)は作為的に生ずる皮膚疾患に就て生活史及び心理学的観察を加えて考察している。
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