Japanese
English
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Hebra氏紅色粃糠疹に就いて
STUDY ON THE PITYRIASIS RUBRA HEBRA
高須 令三
,
高須 俊治
Reizo TAKASU
,
Shunji TAKASU
pp.101-104
発行日 1959年1月1日
Published Date 1959/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202474
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まえがき
Hebra氏紅色粃糠疹は1862年Hebra氏により始めて記載せられ,其の独立的存在はWien学派の追証,Brocq氏の分類,Jadassohn氏の業績により漸次鮮明さるるに至つた。けれども臨床上本症の診断は,その初期に於てはWilson-Brocq氏等の謂う剥脱性紅皮症との鑑別が事実上極めて困難である。本症と剥脱性紅皮症の病理が更に詳しく究明せられなければ本症の完全独立性も甚だうたがわしいものとなる。文献上にも各症例の初期診断が,まちまちで皮膚炎,慢性湿疹,剥脱性紅皮症等の診断がなされ経過が進み本症としての諸症状が整うにつれて診断が確定するといつた状態である。
余等も初診時は全身性急性皮膚炎の診断であつた。要するにこれは本症が比較的稀有な疾患なので系統的研究が困難なために病理の追究も極めて困難であつて,将来多数の文献上の症例を蒐集して結論を見出すほかに方法はないであろう。この意味に於て文献上の1例として将来の参考に資するため,ここに本症の1例を報告して置く次第である。
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