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Hebra紅色粃糠疹の2例特に本症の副腎皮質機能との關係に就て
上田 泰章
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1京都府立醫科大學皮膚科泌尿器科教室
pp.631-636
発行日 1953年10月1日
Published Date 1953/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201064
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I.緒言
原發性紅皮症の分類に關する概念に就いては1890年Brocqが萬國醫學會席上で之を7種に分類する事を提唱して1)3)以來種々議論されしも,通常次の3つに大別し,その急性症としてFéréol再發性落屑性猩紅熱樣紅斑,亜急性症としてWils-on-Brocq剥脱性紅皮症,慢性症としてHebra紅粃糖疹を擧げている樣である2)。
現今我國に於ける見解としては大橋・落合・栗原1)及萩原3)諸氏の意見を通じて略一定し即,上記三者は相互に獨立せる疾患には非ずしてその間には種々の移行型が存在し寧ろ三者を合して原發性紅皮症の名の下に一括し,單に症状の經過に從つて急性・亜急性・慢性に分け而してそれら各々の中で提案者の唱える特徴を具備するもののみをFéréol型・Wilson-Brocq型・Hebra型として取扱う傾向にある4)。而してHebra型は從來比較的獨立性を認められた病型で數カ月乃至1年以上の經過を要して全身の發赤潮紅を來し,粃糠状及葉状落屑,皮膚の浮腫性浸潤を示す外に表在性淋巴腺の腫脹,後期に及んで皮膚萎縮を來すを特徴とする豫後の概して不良なる汎發性紅症症である。
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