Japanese
English
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慢性萎縮性肢端皮膚炎の1例
A CASE OF ACRODERMATITIS CHRONICA ATROPHICANS
中村 準之助
1
,
芝木 秀臣
1
Junnosuke NAKAMURA
1
,
Hideomi SHIBAKI
1
1北海道大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Hokkaido
pp.1149-1152
発行日 1958年11月1日
Published Date 1958/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202393
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緒言
慢性萎縮性肢端皮膚炎Acrodermatitis chro-nica atrophicansは1902年Herxheimer-Hart-mann1)が自己の経験した12例の観察及び従来の文献を基礎として類似の炎症性皮膚萎縮症より独立分離したものである。しかしその後本症を特に肢端皮膚炎として爾余の萎縮性皮膚炎から独立させるべきか否かに就いて,学者により多少意見の相違がみられ,Jessner-Lowenstamm2)Ehr-mann3)は進行性汎発性萎縮性皮膚炎Dermatitisatrophicans diffusa progressivaと同一疾患であるとし,Oppenheim4),Brunauer21)はこれの1異型と見做すのが妥当であるとしている。
本症は本邦に於ては比較的稀有な疾患で,我々が渉獵した限りでは,昭利7年広瀬5)が報告したのを嚆矢として現在まで17例を数えるに過ぎないようである6)〜14)。今回我々は,慢性萎縮性肢端皮膚炎の1典型と考えられる症例を経験したのでこゝに報告する。
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