Japanese
English
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薔薇色粃糠疹の統計的観察
STATISTICAL STUDY OF PITYRIASIS ROSEA (GIBERT)
大越 富彌
1
,
長谷川 隆三
1
Tomiya Ogoshi
1
,
Ryuzo Hasegawa
1
1福島県立医科大学皮膚泌尿器科教室
1Department of Dermatology and Urology. Fukushima Medical College
pp.579-581
発行日 1958年6月1日
Published Date 1958/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202275
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薔薇色粃糠疹は日常屡々遭遇する疾患であるが,その病因は尚明らかでない。その病因に関する諸説中,古くから説えられて居るものに真菌,葡萄状球菌,連鎖状球菌,スピロヘータ,ビールスに依る感染説がある。特に真菌感染は最も古くから想定されて居るもので,その病原体として諸家に依り,Microsporon dispar,Cryptococcusanomeus,Schizosaccharomyces homunis等があげられて居るが,一般に落屑からの菌の検索は勿論培養,動物接種等は何れも不成功に終り,感染説を肯定する様な確証は得られてない現状である。又他方仏,米国学派は本症を胃腸障害に基く,自家中毒に依るとし,皮膚神経の障害と関連づけて居り,本邦に於ても,最近皆見1),栗原2)等は食餌,或は薬物の内販,注射に依り,本症類似の皮疹を示す症例の存在に注目している。何れにしても,本症の病因は漠然としたもので,本邦文献に於ては,僅に析井3)の統計的観察がある他は特異例の報告があるに過ぎず,又一般皮膚疾患に於ける諸検索成績報告に就ても,本症々例は日常遭遇する疾患であるにかかわらず,殆ど触れられていない場合が多い。
著者等は本疾患に関する検索の一端として,最近6ヵ年,昭和26年4月から昭和31年に至る当教室に於ける本症の統計的観察を試みた。
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