Japanese
English
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精管切除に関する臨床的観察
CLINICAL OBSERVATION OF VASECTOMY
細井 儀三郎
1
,
矢口 宏
2
,
碇 久志
3
,
菅原 亨
4
G. Hosoi
1
,
H. Yaguchi
2
,
H. Ikari
3
,
T. Sugawara
4
1弘前大学医学部皮膚泌尿器科
2由利組合院皮膚泌尿器科
3青森逓信病院皮膚泌尿器科
4渡辺病院皮膚泌尿器科
1Dept. of Dermatology & Urology, Faculty of Medicine, Hirosaki University
2Dermato-Urological Clinic, Yuri Kumiai Hospital
3Dermato-Urological Clinic, Aomori Teishin Hospital
4Dermato-Urological Clinic : Watanabe Hospital
pp.573-578
発行日 1958年6月1日
Published Date 1958/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202274
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緒言
産児制限の目的として精管切除による男子不妊術は吾々の経験でも逐年増加の傾向が窺われる。しかし乍ら術後の性生活及び全身状態の変調に対して危惧の念を抱いている者が尚多く,為に本手術は手技が簡単であり,経済的負担も軽い割合に当地方に於いては未だ一般化されているとは云い難い。勿論泌尿器科医が患者の云うままに無批判に該手術を行う事は社会医学的に重大問題であるが従来の報告1)2)3)4)5)6)7)8)9)を綜合すれば概ね忌むべき悪影響は見られないもののようである。しかし30歳以下の者に対する施術には必ずしも賛意を表さない諸家10)もあり,依つて吾々も昭和26年以降,当科並に本荘由利組合病院,青森逓信病院,函館渡辺病院に於て精管切除術を行つた健常人65名及び精神病患者19名,計84名について,術後1〜7年に於ける自覚的性機能を中心に2〜3の臨床的観察を行つたので諸家の成績と比較検討しでみた。尚手術々式としては局麻の下に主として陰嚢部切開法により,精索より精管を遊離し,その間を2〜3cm切除する方法を用い,一部は更にその断端を折り曲げて結紮を行つた。
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