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特集 小児の皮膚泌尿器科疾患
半陰陽
HERMAPHRODITISM
落合 京一郎
1
Kyoichiro Ochiai
1
1東大分院泌尿器科
1Dept. of Dermatology, Tokyo University, Branch Hospital.
pp.1259-1270
発行日 1957年12月16日
Published Date 1957/12/16
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202144
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I.半陰陽の分類
男女という性別は性決定因子(sex determi-ner)の組合せによつて決まるというのが,現在の一般の解釈である。つまり,生来の性(geneticsex)というものは,成熟した生殖細胞(精子と卵)が接合した時に決定されるものであり,また他の性質と同じように生殖細胞の接合によつて新しい個体に遺伝されるわけである。しかし,この性の決定は必ずしもその後における性の分化(性腺の睾丸あるいは卵巣への分化,附属性器および二次性徴の分化発育)をも絶対不動に決定づけてしまうものではない。
それは精子と卵の接合によつて新しく生じた個体は,男女どちらの性へも発育する潜在能力をもつており,これが種々の原因によつて生来の性とは完全に一致しない方向への性の分化が発生する可能性をもつているからである。胎生期のごく初期の性腺はgonadとよばれているように,睾丸とも卵巣とも区別できない未分化の構造をもつている(第1図)。このgonadはWolff氏体の一部から発生するが(genital cord→sex cord),胎児が大体12mm体長ごろになると,この性索(sex cord)の中には2種類の細胞群が区別されるようになる。その外層にあるのが皮質(cortex)あるいは二次性索(secondary sex cords),内部の細胞群は髄質(medulla)あるいは一次性索(primary sex cords)とよばれる。
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