Japanese
English
特集(増刊号の)3 小児の泌尿器疾患
Ⅰ.綜説
半陰陽,その解釈と分類
Interpretation and Classification of Hermaphroditism
落合 京一郎
1
Kyoichiro Ochiai
1
1東京医科歯科大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, School of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
pp.19-26
発行日 1970年12月25日
Published Date 1970/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201065
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Hermaphroditism(患者をさす場合には,herm-aphrodite)の語源は,理想的な男性像としてのHermesと理想的な女性像としてのAphroditeという神話上の人名を結合させてつくられたもので,日本語の半陰陽という語はちょうどこれに相当する。しかし,このhermaphroditism(半陰陽)という語は,医学的にかなりあいまいな表現になつている。
後述するように,一般に男らしさ(maleness)あるいは女らしさ(femaleness)と表現されている男女という性別(sexuality)を医学的に定義することは,簡単のようであつて実際には大変にむずかしい。したがつて,異論のない性別という定義あるいは基準によつて,それが男でもないあるいは女でもない,または男でもあり女でもあるという意味の半陰陽を定義することもむずかしいからである。ことに,最近における内分泌学や細胞遺伝学(cytogenetics)の長足な進歩は,現在のところ性別とかこれに関連した半陰陽の解釈とか定義を一層複雑なものとしているともいえる。
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