Japanese
English
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アドレノクローム・モノセミカルバゾーンの皮膚科的応用
APPLICATION OF ADRENOCHROM MONOSEMICARBAZONE FOR REALM OF DERMATOLOGY
谷村 保夫
1
Yasuo Tanimura
1
1大阪市立城北市民病院皮膚科泌尿器科
1Dept. of Dermat-Urology, Osaka Municipal Schirokita Hospital
pp.933-936
発行日 1957年10月1日
Published Date 1957/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202077
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アドレナリンの生体内に於ける酸化体であるアドレノクロームは不安定な物質であるので臨牀的には安定な状態であるセミカルバゾーン(以下ACと略記)の形で用いられている(第1図)。本剤は1937年Derouaux1)〜3)が強力な止血効果のあることを認めて以来,止血剤として使用されているが,その作用機序はACの著明な血管抵抗増加作用によるとされている。しかしながら本剤については,なお不明の点が多い。
さきにわたくしは4)5)ACの強力な皮膚毛細管抵抗強化作用に注目し,皮膚毛細管抵抗の減弱せる凍瘡,多型滲出性紅斑,単純性紫斑などに皮注し,かなりの効果のあることを認めた。この場合,治癒経過と毛細血管の抵抗強化度とが略々平行していることが見られた。その後ACがアドレナリンの酸化体であることより下垂体前葉を刺戟してACTHの分泌を促進し,間接的に副腎皮質よりCorticoidの分泌を促すのではないかと推測し検索したところ,ACとエピネフリン並にACTHによる所謂ソーン試験が略々平行すること,およびAC投与後尿中の17KS量が増加することを知つた。
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