Japanese
English
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膀胱小腸吻合術後に発生した膀胱結石の1例
A CASE OF VESECAL CALCULI AFTER VESICOINTESTINAL ANASTOMOSIS.
伏屋 惇
1
Atsushi Fuseya
1
1東京慈恵会医科大学大井外科教室
1Department of Surgery, Tokyo Jikeikai Medical College.
pp.795-798
発行日 1957年9月1日
Published Date 1957/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202049
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萎縮膀胱により起る高度の尿意頻数を緩和する目的で,膀胱と腸とを吻合し,膀胱の容積を増大しようとする試みは,1907年,Kauschにより初めて行われた。それ以来,いろいろ研究されてきたが,現在では,空置した小腸を膀胱に環状に吻合するのが最もよい方法とされている。われわれの教室でも,5年前,膀胱結核に続発した高度の萎縮膀胱に対して,膀胱小腸吻合術を行つた1例を経験している。この症例については,すでに報告したが1),その後,同じ症例に桜桃大〜栗実大の膀胱結石が3個発生し,最近,これを摘出した。膀胱小腸吻合術の症例については,術後の観察期間が短いためか,従来は,結石の発生に関する記載が少く,特に,われわれが経験したような大きな結石を生じた報告例は見当らない。次に,われわれの症例を報告し,さらに,膀胱小腸吻合術後の結石発生の機序について考察を加えてみたい。
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