Japanese
English
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右側臀部,肛門周囲,陰部,下肢に発生せる列序性血管腫を伴える膀胱血管腫の手術治験例
AN OPERATED CASE OF HEMANGIOMA OF THE BLADDER COMBINED WITH SYSTEMATIC HEMANGIOMA DEVELOPPING IN RIGHT PUBIC GLUTEAL PART AND FOOT.
植松 文康
1
Humiyasu Uematsu
1
1日本医科大学泌尿器科教室
1Dept. of Usology, Nippon Medical College.
pp.785-789
発行日 1957年9月1日
Published Date 1957/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202047
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I.緒言
血管腫の多くは先天性の発育異常に依るものである。即ち血管組織からなる腫瘍様の組織畸形(過誤腫)である。然し稀には緩かな膨脹性の発育を示して腫瘍(過誤芽腫)と見做し得るものがないでもない。けれども一般には真性腫瘍とは区別している様である。発生部位は皮膚及び皮下に最も多く,筋肉,肝,腎等の諸器管にも稀には見られる。粘膜殊に膀胱粘膜に発生せる血管腫は極めて少くその報告は西欧に於ては最近Graham-Bulk-ley2)(1955)は46例を集め得たと報告し,本邦文献に於ては阿久津氏3)(1919)報告例後12例を数えるに過ぎない。中でも他の部位に血管腫を伴つた例は本邦文献12例中には見当らなかつた。私は右側臀部,陰部,肛門周囲,下肢に列序性の血管腫を伴い且つそれと同側に発生した膀胱血管腫の手術治験例を経験したので報告すると共に本邦文献13例に就いて統計的観察を試みた。
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