皮膚科泌尿器科座談会
皮膚科及び泌尿器科の今昔を語る(その二)
岩下 健三
1
,
高橋 明
2
,
片岡 八束
3
,
大矢 全節
4
,
北村 包彦
5
,
橫山 硈
6
,
大森 清一
7
,
山本 俊平
8
,
樋口 謙太郎
9
,
土屋 文雄
10
,
辻 一郎
11
,
大熊 博雄
12
,
山本 忠次郎
12
,
百瀬 岸雄
1北海道大学
2東京逓信病院
3京都府立医科大学
4国立京都病院
5東京大学
6慶応大学
7東京警察病院
8京都大学
9九州大学
10東京逓信病院
11北海道大学
12日本大学
pp.359-366
発行日 1957年4月1日
Published Date 1957/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201943
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皮膚科及び泌尿器科に於ける診療の今昔
岩下 有難う御座いました。時間が許せばもつとお話を伺いたい処ですが,更に第二,第三の話題も残されて居りますので,「我国に於ける皮膚科及び泌尿器科発展の史的回顧」はこの位に致しまして,次に第二の話題「皮膚科及び泌尿器科に於ける診療の今昔」に移りたいと思います。勿論斯様な大きな問題は到底短時間に盡せるものではありませんが,時間の許す範囲内で,初めに皮膚科,次で泌尿器科,最後に性病という順序で話を進めて頂きたいと思います。最初に北村先生,これは少し特殊の課題になり皮膚科全体の今昔談としては如何かと思いますが,先生が傾倒されていた長江浮腫に就いて御話し願いたいと思います。
北村 御指名がありましたので簡単に申上げます。長江浮腫,即ち現在の顎口虫症は戦後日本で問題になつていますが,この疾患は故山田弘倫先生が軍医として上海在留中にそこの日本人にみられる移動性の皮膚浮腫がQuincke浮腫に一致するのを見出し,その原因を恐らく中国の酒に基くものではないかと云われたのが最初であります。然しやがてこの疾患は淡水魚を生で食べると起ることが経験的に判って来,丁度アレルギーの思想が盛になつた処から,淡水魚による食餌性アレルギー疾患と考えられるようになりました。
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