皮膚科図譜・67・68
石灰化表皮腫/光沢苔癬
加藤 平太
1
1東大皮膚科
pp.1003-1004
発行日 1956年12月1日
Published Date 1956/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201836
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12歳女子,9歳夏右首頸ほゞ中央に結節を触れ漸次増大するのに気付く。結節は皮膚面より稍々盛り上り,指爪大孤立して,硬く触れ,皮内から皮下にあつて下床に対しては移動性である(第1図)。
組織;境界明瞭な結節の実質は皮内から皮下脂肪層内に存在し種々の形の上皮性細胞集団から成る。この細胞集団は基底細胞腫細胞に類似の好塩基性細胞と,細胞核に相当する部分が不染性であり,ヘマトキシリン,エオヂンで淡桃色に染まる所謂Shadow Cellから構成される。好塩基性細胞からShadow Cellへの移行があり角化もShadow Cell集団中に見られる。Kossa陽性の石次質は多くこの細胞集団中に認められ,一部細胞内にも顆粒状に分布する。間質には細胞集団特にShadow Cellに接し異物型巨細胞が多数散在する(第2図)。
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