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精索フイラリヤ症
志田 圭三
1
,
福田 正次
1
,
熊谷 研介
1
,
林 朴一
1
1東京医科歯科大学皮膚科泌尿器科
pp.768-771
発行日 1956年11月1日
Published Date 1956/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201798
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I.緒言
バンクロフト糸状虫は熱帯,亜熱帯,温帯に互り広く蔓延している。我国に於ても南はもとより北は青森県に迄及んでいるといはれているが,九州以南に多く,本州には比較的稀なものである。この糸状虫はリンパ系に好んで寄生し臨床上,乳靡尿等種々の病像を呈する。また精索リンパ管にも寄生し,リンパの循還障碍並にこれに引続いて起る二次的病変,即ち陰嚢水病,精索硬結等を惹起する事である。
最近,左陰嚢部の腫脹を訴へて我々の外来を訪れた患者で,外見上精索精脈瘤様所見を呈し,手術の結果,拡張せるリンパ腔内に,フイラリア母虫を発見した1例,並に精索内硬結を主訴とせる1例を経験したので報告する。
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