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泌尿器科的検査時の麻酔について—(カロカイン溶液の使用成績)
小松 須賀男
1
,
林 法信
1
,
大下 邦夫
1
,
碓井 博司
1
1広島医科大学皮膚科泌尿器科教室
pp.641-645
発行日 1956年9月1日
Published Date 1956/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201769
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緒言
科学の進歩と共に外科的操作や諸種の検査時に於ける麻酔についても,様々の研究が重ねられているが,いかにして患者の診断及び治療を無痛的に行うかということは,医師たるものゝ,常に多大の関心事であると言えよう。殊に泌尿器科領域に於ては,膀胱鏡的手技を必須とするだけに,患者に与える苦痛も一通りでない。従つてその麻酔法にらいても多くの発表がなされている。麻酔を検査に用いる場合は,外来患者に施行することが多いために,麻酔法として次の条件を具備していることが望ましい。即ち(1)麻酔法が簡便であること,②麻酔効果が確実であること。(3)検査対象(主として膀胱及び尿道の粘膜)の所見に変化を与えないこと。(4)毒性が少いこと,(5)麻酔による後遺症状を残さないこと,の5つである。
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