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Lichen Planopilaris症例
出来 利夫
1
1海南市民病院皮泌科
pp.630-633
発行日 1956年9月1日
Published Date 1956/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201767
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緒言
Lichen Planopilarisは1895年Pringleに依つて命名せられた疾患で,G. LittleのFolliculitisdecalvans et lichen spinulosusやFeldmanのLichen Planus et acuminatus atrophicansと同一疾患であり,その他30余りの題名で発表されているものである。本症の典型的な臨床症状は扁平苔癬の病巣。棘状或は尖形苔癬様の病巣及び頭部或は他の有髪部の萎縮性脱毛の三徴候が挙げられているが,最近のSilver,Charginet Sachs等の105例に於ける統計的観察によれば前記三徴候を全部具備せる症例は40%で必ずしも必発のものでなく,扁平苔癬病巣と棘状苔癬様病巣の合併せる症例は72%で大多数に見られるものである。本邦に於てはLichen Planopilaris(Pringle),Folliculitis dcalvans et lichen Spinulosus(Little)或はLichen Planus et Acuminatus Atrophicans(Feldman)等の題名によつて発表せられた症例は我々の渉獲した文献の範囲では見当らない様である。最近我々は19歳の女子の両前臆に本症と思われる皮疹の発生せる症例に遭遇した故撮告して諸賢の御批判を迎ぎたいと思う。
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