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Chlorprophenpyridamine maleateによる治験
平井 義雄
1
1横浜市立大学医学部皮膚科教室
pp.222-224
発行日 1956年4月1日
Published Date 1956/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201658
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I.まえがき
皮膚科領域に於て湿疹,皮膚炎を主とする所謂アレルギー性疾患の治療については,従来より多くの試みが行われて来たが,現在最も多く使用されている藥剤は抗ヒスタミン剤であるといつても過言ではない。最初は多くBenadryl系のものが使用されていたが,副作用少く且少量で抗ヒスタCl-N—CH-CH2—CH2—N-CH3・CH・COOH-CH3・CH・COOH1—Para-chlorphenyl−1—(2—pyridyl)3—dimethylaminoPropaneChlorprophenpyridamine maleateミン作用が強力である1)ため最近はmonoamine系に属するChlorprophenpyridamine maleate(Chlor-Trimeton)が多く使用せられる様である。更に近年皮膚疾患とビタミンとの関連が重要視され,諸種のビタミン欠乏に際して各々に特有の症状,即ちAvitaminosisを招来するということが明かになつた。その中ビタミンB2(ribofla-vin)はWahrburgの黄色酵素として働き生体酸化に密接な関係があるといわれる。ビタミンB2の欠乏が口唇,舌,眼症状を主とするaribofla-vinosisと呼ばれる一連の症状を起すということは,Sebrell-Butler及びSydenstriker以来広く認められている2)3)。
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