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膀胱腫瘍に対するP32の応用
木口 充夫
1
1岡山大学医学部皮膚科泌尿器科教室
pp.199-201
発行日 1956年4月1日
Published Date 1956/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201651
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緒言
1944年Jonesが放射性燐酸クロームを用いて肝臓の悪性腫瘍に対する治療法を示唆して以来,放射性同位元素を応用しての悪性腫瘍に対する治療の研究は活濃に行われ,泌尿器科領域においてもWllace,Walton,Sinclair1)はNa24を応用し,Schulter,Hinman,Berthan,2)はCo60を,Bekg,Isacss,Christophersen3)はAu198を用いて膀胱の悪性腫瘍の治療について報告しており,本邦では宮崎・仁平・杉山4)がP32を直接腫瘍内に注射したことを報告している。わたくしは最近膀胱癌腫の膀胱全摘出術及び部分切除術を実施した症例について,術前一定期間にP32溶液を膀胱腫瘍内に直接注射し,手術的に摘出する迄の臨床経過並びに摘出標本について観察した結果,興味ある成績を得たので簡単に報告する。
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