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Monobenzyl ether of hydroquinonの皮膚色素沈着症に対する効果
片岡 八束
1
,
幹 滋
1
1京都府立医科大学皮膚科泌尿器科学教室
pp.435-439
発行日 1954年7月1日
Published Date 1954/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201243
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緒言
1939年Oliver,Schwartz,Warren1)は製革所に於て発生せる職業性白斑の数例を記載し,該白斑を起した原因は,工員が常に使用せるゴム手袋にゴムの抗酸化剤として撒布せられて居たmon-obenzyl ether of hydroquinone (以下M.B.E.H.と略す,化学構造式は第1図の如し)との接触による事が明かにされた。以来Denton等2)により本剤の色素脱失機転の解明が企てられると共に,M.B.E.H.を諸種皮膚色素沈着症に対し治療的に応用せんと試みられた。即ちLerner及びFitzpatrick3),Forman4)等が其の治療効果を記載して居る。然し乍ら本邦に於てはM.B.E.H.の皮膚色素沈着症に対する治験に就ての記載は余等の知れる範囲に於て未だ之を見ない。余等は昭和28年9月より,本剤をChloasma,Epheliden,Riehl'sche Melanose,Naevus等皮膚色素沈着症の患者計20例に対し使用し相当の効果を收め得たので茲に報告する。
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