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二次的に腫瘍の発生せる腎孤立性嚢腫
岡 直友
1
,
後藤 武
1
1名古屋市立大学医学部泌尿器科教室
pp.265-267
発行日 1955年5月1日
Published Date 1955/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201414
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緒言
腎の孤立性嚢腫は臨床方面では比較的稀にしかみられぬものであつて,我国においては,昭和29年の向山氏の論文によれば,それまでに,氏の自験4例を含めて54例しか文献上の記載がないという。孤立性腎嚢腫に腫瘍を伴うものは稀であつて,同氏によれば,彼の症例を含めても,本邦では僅に39例を算する丈である。殊に孤立性腎嚢腫の内壁から二次的に腫瘍の形成されたものは稀有であつて,本邦の文献には見当らず戦後の外国文献で私らが目を通し得たもののうちにも記載がない。私らは最近このような稀有な1例を経験したので記録に止めたい。
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